家の屋根を瓦屋根にするメリットとデメリットを知りたい!

瓦屋根はその美しさや長寿命で広く知られていますが、実際に選択する際には、メリットとデメリットをしっかりと理解することが大切です。これから瓦屋根についての特徴や注意すべき点を、屋根のプロの視点から詳しく解説します。
瓦屋根のメリット
瓦屋根には数多くの利点があります。見た目の美しさや高級感を兼ね備えているだけでなく、実用的な機能も充実しています。これから瓦屋根のメリットについて詳しく紹介していきます。
①耐久性の高さ

瓦屋根の最大の特徴はその耐久性です。瓦は高温で焼き上げられた焼き物であり、その堅牢さは他の屋根材と比較しても非常に優れています。
長寿命 一般的な粘土瓦の寿命は50年以上にもわたり、中には100年を超えるものもあります。日本の伝統的な寺院や古民家に使用されている瓦が、何世代にもわたって持ちこたえているのを目にすることもあります。このような長期的な耐用年数を持つ屋根材は、他にはほとんどありません。
自然劣化に強い 瓦は紫外線や雨風に非常に強く、金属屋根のようにサビが発生することはありませんし、スレート屋根のように色褪せることもほとんどありません。基本的に塗装などのメンテナンスが不要で、時間が経ってもその美しい外観を保ちやすいです。
火に強い 瓦は不燃材であるため、火災時にも燃え広がりにくいという特徴があります。特に住宅密集地などでは、火災の広がりを防ぐために瓦屋根が大きなメリットとなります。
②優れた断熱性・遮音性

瓦屋根は機能面でも高いパフォーマンスを発揮し、特に断熱性と遮音性において優れています。
夏は涼しく、冬は暖かい 瓦屋根は屋根と下地の間に空気層を自然に作り、この空気層が断熱材の役割を果たします。この構造により、外の暑さや寒さが室内に伝わりにくくなります。夏は直射日光の熱を遮り、冬は室内の暖かさを保持するため、冷暖房の効率が向上し、省エネ効果も期待できます。
湿気対策にも有効 瓦の下の空気層には通気性があり、屋根裏の湿気を外に逃がす効果があります。これにより、屋根内部の結露を防ぎ、建物の劣化を防止することができます。
優れた遮音性 瓦の厚みが遮音性に優れており、特に雨の日にその効果を感じることができます。金属屋根のように雨音が大きく響くことなく、静かな室内環境を保ちます。この機能は日常生活において非常に重要な要素です。
③デザイン性が高く、和洋どちらにも合う

瓦屋根はそのデザイン性でも優れており、和風住宅だけでなく、洋風の家にも合わせやすい特性があります。
豊富な色と形 瓦は種類が豊富で、伝統的な和瓦はもちろん、現代的なデザインのフラット瓦やカラフルな釉薬瓦などもあります。釉薬を使うことで青や緑、黒などさまざまな色を出すことができ、外観のバリエーションが豊富です。
和風・洋風どちらにも対応 瓦というと和風のイメージが強いですが、近年ではシンプルなデザインのフラット瓦を使用することで、スタイリッシュな洋風住宅にも自然に調和します。
重厚感と高級感 瓦屋根はその厚みや質感から、家全体に重厚感と高級感を与えることができます。特に大型住宅や伝統的な建物には非常に適しています。
④環境に優しい自然素材
瓦は天然の粘土を原料とし、高温で焼成して作られるため、製造過程で有害物質をほとんど排出せず、環境への負荷が少ない素材です。廃棄する際も自然に還るため、エコロジーな観点からも優れています。
瓦屋根のデメリット

瓦屋根は素晴らしいメリットを多く持っていますが、いくつかのデメリットも存在します。
①重量があり耐震性に不安
瓦屋根の最も大きなデメリットとして挙げられるのは、その「重さ」です。
重さが建物に与える影響 瓦は1㎡あたり約40~60kgと、スレート屋根や金属屋根に比べて圧倒的に重い屋根材です。この重さが建物全体に負担をかけるため、耐震性に不安を抱くことがよくあります。特に古い建物で耐震補強がされていない場合、地震時に瓦が落下したり、建物自体が揺れに耐えられないリスクがあります。
地震に強い瓦も登場 近年では「防災瓦」や「軽量瓦」など、地震に強い瓦も登場しています。これらは従来の瓦よりも軽量で、しっかりと固定することで、地震時の落下リスクを大幅に軽減します。
②初期費用が高い
瓦屋根はその耐久性に優れていますが、初期費用が他の屋根材と比べて高くなる傾向があります。
他の屋根材との比較 一般的なスレート屋根や金属屋根に比べて、瓦屋根の施工費用は1.5倍~2倍程度高くなります。具体的には、1㎡あたり12,000~20,000円程度が相場となっています。これは瓦自体の価格が高いことと、施工に専門的な技術が必要なためです。
長期的なコストパフォーマンス 初期費用が高いものの、長期的にはコストパフォーマンスが良好です。瓦はメンテナンスが少なく、耐用年数も長いため、長期的には他の屋根材よりもトータルコストを抑えることができます。
③台風や強風の被害を受けやすい
瓦屋根はその重さで安定性が高いと思われがちですが、実際には強風時に予想外の被害を受けることがあります。
瓦屋根が強風で被害を受ける原因 瓦屋根の被害は、主に瓦の固定方法に起因しています。特に古い住宅では、瓦同士がしっかりと固定されていない「土葺き(どぶき)」という工法が使われていることが多く、この場合、瓦が風圧で簡単にずれたり飛ばされたりすることがあります。
風の流れと屋根形状 台風や強風時には、屋根の形状によって風の流れが変わり、特定の部分に風圧が集中します。特に切妻屋根の場合、屋根の棟部分に風が集中し、瓦を浮き上がらせる原因となります。
劣化による脆弱化 経年劣化により瓦の下の漆喰が剥がれると、強風の影響を受けやすくなります。瓦自体が割れていなくても、下地の劣化が原因で瓦が外れやすくなることがあります。
台風・強風対策

台風や強風による被害を防ぐための対策には、以下の方法があります。
瓦屋根はその重厚感と耐久性から、多くの住宅で利用されていますが、台風や強風時に被害を受けることもあります。特に、強風や台風のような極端な気象条件が重なると、瓦が飛散したり屋根が損傷したりするリスクが高まります。そのため、台風や強風による被害を最小限に抑えるための対策が必要です。ここでは、瓦屋根における台風・強風対策について、効果的な方法をさらに詳しく解説します。
①防災瓦の導入
台風や強風に備えるためには、現在では「防災瓦」という特別な瓦製品が非常に有効です。防災瓦は、従来の瓦よりもさらに強度が高く、強風に対して優れた耐久性を持っています。
瓦同士の噛み合わせの強化 防災瓦は、瓦同士がしっかりと噛み合う構造になっており、風圧で瓦がずれたり飛ばされたりするリスクが大幅に減少します。従来の瓦に比べ、ズレにくく、風に強いことが特徴です。このため、瓦が風で浮き上がったり、屋根から落下したりすることが少なくなります。
金具やビスによる固定強化 防災瓦は、専用の金具やビスで瓦をしっかりと固定することができます。これにより、強風や台風時の揺れに対しても瓦が動きにくく、飛散のリスクを減少させます。従来の土葺きや釘打ち工法に比べ、より強固に固定できるため、非常に高い耐風性能を誇ります。
軽量化による耐久性の向上 防災瓦は、従来の瓦に比べて軽量化されていることが多いですが、それでも耐風性能を損なわないように設計されています。この軽量化により、屋根の構造自体の負担が軽減されるため、台風や強風によるダメージを抑えることができます。
②屋根の定期点検とメンテナンス

瓦屋根は、見た目に大きな問題がないように見えても、経年劣化により強度が低下していることがあります。特に台風シーズンが近づく前には、必ず屋根の点検を行うことが重要です。
瓦のズレや割れの確認 瓦が風で動いたり、ひび割れが生じていたりする場合、強風が吹くと瓦が飛びやすくなります。定期的に瓦のズレや割れを確認することで、早期に問題を発見し、補修を行うことができます。特に台風前には、強風の影響を受けやすい箇所を重点的に点検しましょう。
漆喰の劣化のチェック 瓦同士を固定するために使用される漆喰は、時間が経つにつれて劣化し、割れたり剥がれたりすることがあります。漆喰が劣化すると瓦の固定力が弱まり、強風時に瓦が飛ばされる原因となります。定期的に漆喰の状態を確認し、必要に応じて補修を行うことで、瓦屋根の安定性を保つことができます。
屋根周囲の清掃 台風や強風時に、屋根周辺にある物や植物が風で飛ばされて瓦に当たることがあります。これにより、瓦が割れたり、ずれたりするリスクが高まります。屋根周辺の環境整備を行うことで、強風時の被害を抑えることができます。
屋根周辺の環境整備

台風や強風に備えるためには、屋根周辺の環境を整備することも重要です。庭木や建物周辺の管理が不十分だと、風で飛ばされた物が屋根に当たり、瓦を傷つける原因となります。
庭木の枝の剪定 庭木の枝が屋根に接触している場合、強風が吹いた際に枝が屋根に当たり、瓦を傷つけることがあります。定期的に庭木の枝を剪定し、屋根に接触しないように管理しましょう。また、台風シーズンの前には、屋根に接触しやすい部分をしっかりと確認し、剪定しておくと安心です。
飛ばされやすい物の整理 台風の前には、風で飛ばされやすい物(プランターや庭の飾り、掃除道具など)を屋内にしまうことが大切です。これらの物が屋根に当たると、瓦に直接ダメージを与えることがあります。台風シーズン前に屋外の物を整理して、万全の備えをしましょう。
台風後のチェックと補修

万が一、台風や強風で瓦屋根が被害を受けた場合は、速やかに対処することが求められます。被害を放置すると、さらなる損傷や雨漏りなどの二次被害を引き起こすことがあります。
安全確認と応急処置 台風後、瓦が飛んだり、ズレたりしている場合、まずは安全を確認することが最優先です。屋根に登って自分で確認するのは危険ですので、専門の業者に依頼し、適切な補修を行ってもらいましょう。また、雨漏りが発生した場合は、ブルーシートをかけることで二次被害を防ぐことができます。
保険の確認と対応 台風や強風による瓦屋根の損害は、火災保険で補償される場合があります。保険証書を確認し、「風災」の補償が適用されるかどうかを確認しましょう。必要な書類や証拠写真を準備して、保険手続きをスムーズに進めましょう。
まとめ

瓦屋根はその美しさと耐久性、機能性から非常に優れた選択肢ですが、台風や強風時におけるリスクや初期費用の高さなどのデメリットもあります。
瓦の屋根材としての強みを活かした適切なメンテナンスや対策を行うことで、そのメリットを最大限に活かすことができます(^^)/
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