屋根の最重要パーツ!アスファルトルーフィングと改質アスファルトルーフィングとは?

アスファルトルーフィングと改質アスファルトルーフィング

屋根工事の際に必ず使用される「ルーフィング(防水シート)」ですが、普段は目にすることが少ない部分です。しかし、このルーフィングは家の防水機能を支える非常に重要な役割を担っています。

雨漏りを防ぐために欠かせない存在であり、屋根全体を守るための「最後の砦」として働きます。アスファルトルーフィングと改質アスファルトルーフィングの違いについて、詳しく解説します。

屋根の重要パーツ「ルーフィング(防水シート)」を理解することで、あなたの家に最適な防水対策が見えてきます(^^)/

目次

1. ルーフィング(防水シート)とは?

1-1. ルーフィングの基本構造と役割

ルーフィングは屋根の下に敷かれる防水シートで、屋根材(瓦やスレートなど)と屋根内部をつなぐ重要な役割を果たします。これを「二次防水」と呼びます。屋根材自体が一次防水ですが、台風や強風などで屋根材に隙間が生じた場合でも、ルーフィングがしっかりと雨水を防いでくれるため、屋根内部や建物構造への水の浸入を防ぐのです。もしルーフィングがない場合、屋根材の隙間から雨水が侵入し、野地板や断熱材が湿気を吸い、最終的に室内に雨漏りを引き起こすことになります。

1-2. ルーフィングの重要な役割

アスファルトルーフィングについて

ルーフィングは単なる防水機能を超えて、さまざまな役割を持っています。

雨漏り防止

雨漏り防止
屋根材の下に敷設されるルーフィングは、屋根から侵入する雨水を確実にブロックします。これにより、野地板や柱、断熱材など、建物の構造部分が水によるダメージを受けずに保護されます。

結露対策
ルーフィングは屋根裏の湿気を適切に管理する役割も果たします。湿気が屋根内部にこもることで発生する結露は、木材の腐食やカビを引き起こす原因となりますが、ルーフィングがしっかりと湿気を防ぎ、こうした問題を抑えることができます。

寒暖差対策

温度変化の緩和
ルーフィングは、断熱材ではありませんが、屋根材と野地板の間で温度の急激な変化を緩和する役目を果たします。これにより、夏は外部の熱気を遮り、冬は室内の暖気を保つことができ、省エネ効果が得られます。

風害・飛来物対策
台風や強風時に屋根材が破損する場合もありますが、ルーフィングがしっかりと機能していれば、雨漏りを一時的に防ぐことができるため、屋根材の破損による被害を最小限に抑えます。

2. アスファルトルーフィングについて

アスファルトルーフィングは、最も一般的に使われる防水シートです。長年にわたり日本の屋根工事で広く使用されています。

2-1. アスファルトルーフィングの構造と素材

アスファルトルーフィングは、基本的にフェルト(厚紙)や不織布などを基材として、そこにアスファルトを染み込ませることで防水性を持たせています。この構造により、屋根内部への水の浸入を防ぎ、強固な防水層を形成します。

2-2. アスファルトルーフィングのメリット

  1. コストが安い
    アスファルトルーフィングは比較的安価で、施工も簡単なため、コストパフォーマンスに優れています。短期間での屋根工事に適しています。
  2. 標準的な防水性
    アスファルトルーフィングは、適切に施工すれば15〜20年程度の耐用年数があり、標準的な防水性能を持っています。

2-3. アスファルトルーフィングのデメリット

  1. 耐久性が限定的
    アスファルトルーフィングは高温や紫外線に弱いため、長期間の使用で硬化やひび割れが発生することがあります。特に直射日光を受けやすい屋根では、経年劣化が進みやすくなります。
  2. 釘穴からの雨漏りリスク
    施工時にタッカーや釘で固定するため、時間が経つと釘穴から雨水が侵入するリスクがあります。このため、経年劣化が進むと、雨漏りの原因となることがあります。

3. 改質アスファルトルーフィングとは?

改質アスファルトルーフィングとは?

改質アスファルトルーフィングは、アスファルトルーフィングの性能を向上させた高性能な防水シートです。耐久性や防水性に優れ、特に長期間の使用に向いています。

3-1. 改質アスファルトルーフィングの構造と素材

改質アスファルトルーフィングは、フェルトやポリエステル不織布を基材として、アスファルトに合成ゴムや樹脂を加えた改質アスファルトを使用します。これにより、アスファルトルーフィングに比べて柔軟性や耐久性が大幅に向上しています。

3-2. 改質アスファルトルーフィングのメリット

  1. 高い耐久性
    改質アスファルトルーフィングの耐用年数は20年以上で、最も耐久性の高い製品では60年に達するものもあります。耐用年数が長いため、長期的に見ればコストパフォーマンスが非常に優れています。
  2. 優れた防水性と水密性
    改質アスファルトは非常に柔軟性が高いため、釘穴やタッカー留め部分にも密着し、雨水の浸入を防ぎます。これにより、高い防水性と水密性が確保されます。
  3. 温度変化に強い
    改質アスファルトは、高温や低温に強く、夏の高温や冬の低温でも劣化しにくい特性を持っています。このため、様々な気候条件に対応できる強靭な防水シートです。

3-3. 改質アスファルトルーフィングのデメリット

  1. 価格が高い
    改質アスファルトルーフィングは、通常のアスファルトルーフィングよりも価格が高く、1.5倍〜2倍程度のコストがかかります。しかし、その高い性能を考慮すれば、長期的には非常にコストパフォーマンスが高いと言えます。
  2. 施工に技術が必要
    改質アスファルトルーフィングの施工には、特に慎重な作業が求められます。粘着タイプや片面粘着タイプの製品は、施工時に特別な注意を払う必要があり、技術的なスキルが重要です。

4. アスファルトルーフィングと改質アスファルトルーフィングの違い

項目アスファルトルーフィング改質アスファルトルーフィング
価格安価高価
耐用年数約15〜20年約20〜60年
耐久性標準的高い
防水性・水密性標準的非常に高い
耐熱・耐寒性やや弱い強い
施工性容易技術が必要

改質アスファルトルーフィングは、価格こそ高いものの、その耐久性や防水性に優れており、長期的に見れば非常にコストパフォーマンスの高い選択肢となります。

5. 改質アスファルトルーフィングの種類

アスファルトルーフィング

5-1. 片面粘着タイプ

片面が粘着層となっており、タッカーを使用せずに施工できます。このタイプは釘穴を開けずに施工できるため、より高い水密性を提供します。

5-2. 自着タイプ

加熱せずとも、圧力を加えるだけで基材にしっかりと密着します。このタイプは施工ミスを減らし、確実な防水性能を確保することができます。

6. 耐用年数とメンテナンス

ルーフィングの耐用年数とメンテナンスのポイントは、家の防水機能を長期間にわたって維持するために非常に重要です。屋根の防水シートは、時間の経過とともにどうしても劣化していきますが、適切なメンテナンスと定期点検を行うことで、その寿命を延ばし、長期にわたる雨漏り防止を実現することができます。

ここでは、アスファルトルーフィングと改質アスファルトルーフィングそれぞれの耐用年数と、メンテナンス方法について詳しく解説します。

6-1. アスファルトルーフィングの耐用年数

アスファルトルーフィングの耐用年数は一般的に15〜20年程度とされています。しかし、この耐用年数は使用環境によって前後することがあります。特に直射日光や強風、寒暖差の激しい場所では、紫外線や温度変化によってアスファルトルーフィングが早期に劣化する可能性があります。紫外線を浴び続けることでアスファルトは硬化し、ひび割れが生じることがあります。また、夏の高温や冬の低温での温度変化により、素材が膨張したり縮んだりすることで、構造的な損傷が進行することもあります。

アスファルトルーフィングの劣化が進むと、防水性が低下し、屋根材の隙間から水が浸入しやすくなります。そのため、耐用年数を過ぎる前に定期的に点検を行い、問題がないかを確認することが重要です。特に10年を過ぎたあたりからは、点検を強化することをお勧めします。劣化が始まると、ルーフィングの機能が十分に発揮できなくなり、屋根全体の防水性能が低下してしまうため、早期発見と対処が必要です。

6-2. 改質アスファルトルーフィングの耐用年数

改質アスファルトルーフィングは、アスファルトルーフィングの性能を大幅に向上させた製品であり、耐用年数も長く、20年から60年程度の耐久性を持っています。改質アスファルトは、アスファルトに合成ゴムや樹脂を加えて改良したもので、これにより柔軟性や耐久性が大きく向上します。この高性能なルーフィングは、温度の変化に強く、熱や寒さによる劣化が少ないため、過酷な気候条件でも長期間にわたりその防水性能を維持します。改質アスファルトルーフィングは、高温や低温に加えて、紫外線にも強く、一般的なアスファルトルーフィングと比べて色褪せやひび割れも起こりにくいです。

耐用年数が長いため、改質アスファルトルーフィングは長期的なコストパフォーマンスに優れています。高性能な製品を選べば、屋根材の張り替え時に防水シートを交換せずに済むケースもあります。例えば、特に耐久性の高いタイプでは、60年以上の耐用年数を誇るものもあり、長期的な投資としても非常に優れた選択肢となります。改質アスファルトルーフィングは、屋根全体の防水シートを一度交換すれば、その後のメンテナンス費用が大幅に抑えられるため、短期的なコストを抑えつつ、長期的なメンテナンスを軽減することができます。

6-3. メンテナンスのポイント

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ルーフィングはその機能を長期間にわたって維持するために定期的な点検とメンテナンスが不可欠です。ルーフィング自体の耐久性や防水性は高いものの、外的要因によって劣化することがあります。特に台風や強風、大雪などの自然災害があった後は、早急に点検を行い、ルーフィングの状態を確認することが重要です。また、屋根材が破損した場合や、釘穴から水が侵入するなどの問題が発生した場合には、早期に修理を行うことで、大きな損害を防ぐことができます。

  1. 定期点検
    ルーフィングは最低でも5〜10年ごとに点検を行うことをお勧めします。屋根の上に上がり、瓦やスレート屋根のズレ、割れ、または風化による破損を確認しましょう。点検を通じて、ルーフィングの状態もチェックし、劣化の兆候を早期に発見することができます。
  2. 雨漏りチェック
    ルーフィングの劣化や破損による雨漏りを防ぐため、屋根裏や室内の天井にシミやカビが発生していないかを定期的に確認します。特に梅雨時期や台風シーズンの後は、特に注意が必要です。
  3. 強風・大雨の後
    台風や豪雨が過ぎた後には、必ず屋根の点検を行い、ルーフィングが破損していないか、または漏水が発生していないかを確認するようにしましょう。強風や大雨が続くと、ルーフィングが少しでも劣化していると、雨漏りのリスクが高まります。
  4. 早期発見と修理
    ルーフィングの問題を発見した場合は、できるだけ早く修理を行うことが重要です。特に、釘穴やタッカー留め部分からの水漏れを防ぐためには、速やかに補修を行うことで、屋根全体の寿命を延ばすことができます。

ルーフィングのメンテナンスを適切に行うことで、その防水性能を最大限に活かし、家の構造を長期間守ることができます。特に改質アスファルトルーフィングは長寿命であるため、適切なメンテナンスを行えば、家全体の防水性能を維持し、雨漏りを防ぐための最良の手段となるでしょう。

屋根の防水シート(ルーフィング)は、雨漏りを防ぐために非常に重要な役割を果たしています。

アスファルトルーフィングと改質アスファルトルーフィングは、それぞれに特徴があり、使用する地域や目的に応じて選ぶことが大切です。

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