垂木(たるき)とは?屋根の基礎を支える重要部材をわかりやすく解説

住宅や建物の屋根を支えるうえで、なくてはならない存在——それが「垂木(たるき)」です。
普段の生活ではあまり目にすることのない部材ですが、屋根の構造にとっては非常に重要な役割を担っています。
この記事では、垂木とは何か、どんな役割を果たしているのか、劣化するとどうなるのか、
そして修理や交換が必要なタイミングなどについて、初心者の方にもわかりやすく解説していきます!
垂木(たるき)とは?

屋根の骨組みを構成する斜めの木材で、屋根材(瓦やスレートなど)を支える重要な部材です。
屋根の勾配に沿って、軒先から棟(屋根の頂点)に向かって取り付けられ、屋根全体の形をつくります。
垂木の主な役割
- 屋根材や野地板を支える
- 屋根の荷重を分散し、柱や梁へと伝達
- 屋根全体の形状を構成し、建物の構造を安定させる
垂木の種類と呼び方
- 母屋垂木(もやたるき):母屋の上に直接設置される基本の垂木
- 登り垂木:斜めに登るように取り付けられ、主に勾配のある屋根に使用
- 補助垂木:補強目的で設置されるサブ的な垂木
垂木の寸法と間隔
- 一般的な間隔は455mm(芯々)
- 日本の建築モジュールに基づいて配置
- 長さや太さは、屋根形状や荷重条件に応じて選定
垂木の材質
- 木材(杉・米松など)が主流
- 合板や金属製(鋼製垂木)も利用されるように
└ 特に工場・倉庫などの大規模建築に多い
垂木は一見シンプルな構造材ですが、屋根の強度・形状・耐久性を支える縁の下の力持ち。屋根工事の際には、垂木の状態確認も大切なチェックポイント!

垂木の主な役割

屋根全体の重さを支えるため、垂木は以下のような重要な役割を担っています。
1. 屋根材の荷重を支える
瓦やスレート、金属屋根など、屋根材は意外と重いものです。その重さを分散して、建物全体へと力を逃がす役割を果たします。
2. 屋根の形を保つ
屋根の勾配や形状は、垂木によって作られています。垂木がしっかり設置されていないと、屋根の形が歪み、雨水の排水にも影響が出る可能性があります。
3. 屋根裏の通気を確保
垂木の間には空間ができるため、屋根裏の換気や通気にもつながります。湿気のこもりを防ぐ役割も担っています。
垂木の劣化がもたらす影響

垂木は屋根の内部にあるため、日常的に目にすることはほとんどありません。
しかし、知らないうちに劣化が進行していることもあり、そのまま放置してしまうと、以下のような深刻なトラブルを引き起こします。
雨漏りの発生
垂木が腐食して変形すると、屋根材がズレたり、割れたりして、雨水が侵入するリスクが高まります。
屋根の歪み
垂木が折れたりたわんだりすると、屋根の形状が崩れ、建物全体のバランスにも悪影響を与えます。
シロアリ被害
木材である垂木はシロアリの被害を受けやすく、気づかないうちに内部からボロボロになっているケースもあります。
垂木が劣化する原因

では、なぜ垂木は劣化してしまうのでしょうか?主な原因は以下の通りです。
1. 雨漏り
屋根材や防水シートに不具合があると、雨水が垂木にまで達してしまい、木材を腐らせます。
特に瓦のズレや割れ、スレートのひび割れなどが放置された場合、そこから雨水が浸入し、垂木の劣化を早める結果につながります。
雨水によって濡れた状態が続くと、木材の繊維が弱くなり、腐朽菌(ふきゅうきん)の繁殖が進んでしまう!
2. 結露
屋根裏の通気が不十分だと、冬場などに外気との温度差が大きくなり、結露が発生します。
この結露水が長時間にわたって垂木に接触することで、じわじわと木材の強度が落ちていきます。
特に断熱材の施工が不適切だったり、換気口が詰まっていると、湿気がこもりやすくなり、結露が慢性的に発生。
3. 経年劣化
垂木は基本的に屋根内部で守られている部材ですが、
木材である以上、時間の経過とともに乾燥や湿気、気温変化による収縮・膨張を繰り返し、次第に強度が低下していきます。
特に築20〜30年を超える建物では、垂木の表面に小さな割れが生じていたり、断面欠損(削れ)が進行している場合も。
4. シロアリや害虫
シロアリは木材の柔らかい部分を好んで食害するため、床下だけでなく、湿気の多い屋根裏まで進出するケースがあります。
垂木の内部を空洞化させることで、構造的な強度が著しく低下してしまいます。
カミキリムシの幼虫(木喰い虫)などの害虫によっても、垂木の内部にトンネルのような穴があけられる被害が確認されています。
5. 換気不足・断熱不良
近年の住宅は高気密・高断熱が主流ですが、それにより屋根裏に湿気がこもりやすくなる傾向があります。
換気口の設置位置や、通気層の不足などが原因で、垂木が長時間湿気にさらされ、カビや腐朽菌が繁殖する温床となることもあります。
6. メンテナンス不足
屋根の上は日常的に目が届きにくい場所です。
そのため、瓦やスレートの割れ・ズレを放置したままにしてしまい、雨水が垂木まで侵入してしまうことが少なくありません。
定期点検を怠ることは、垂木の劣化を早める最大の要因のひとつ!

垂木の劣化チェックポイント

垂木は屋根の内部にあるため、普段は目に見える場所ではありません。
そのため、劣化の兆候を見逃しやすい部材でもあります。しかし、以下のようなサインが見られた場合、垂木が劣化している可能性が高いため、注意が必要です。
1. 天井にシミやカビがある
天井や壁に茶色っぽいシミが出てきた場合、それは雨漏りのサインである可能性があります。
雨水が屋根材を通り抜け、垂木を伝って天井に染み出していることもあります。特に、天井の四隅や梁の近くに出るシミは、垂木の上部からの水の侵入が疑われます。
2. 雨漏りが発生している
雨天時やその後に室内でポタポタと水が垂れる、または湿気を感じる場合、すでに垂木の腐食やひび割れが進行していることがあります。
雨漏りは屋根のトラブル全体の兆候でもありますが、垂木が傷んでいるケースでは屋根材の浮きやズレ、野地板の変形なども併発している可能性があります。
3. 屋根の表面が波打って見える
地上から屋根を見上げたときに、表面がうねっていたり、凹凸があるように見える場合は、内部の垂木がたわんでいる可能性があります。
垂木が湿気や荷重に耐えきれずに変形すると、屋根材の仕上がりに直接影響が現れます。
4. 軒先や屋根の一部がたわんでいる
特に軒先部分が垂れ下がって見える場合は、垂木の端が腐ってしまっていることがよくあります。
軒は雨水や風の影響を受けやすく、垂木の劣化が始まりやすい部分でもあります。見た目に「下がっている」「波打っている」と感じたら、すぐに点検が必要です。
5. 屋根裏にカビ臭がする
屋根裏に入ったときにカビ臭や湿気を強く感じた場合、それは垂木や周辺部材が湿っているサインかもしれません。
湿気が溜まりやすい環境では、木材腐朽菌やシロアリも発生しやすく、垂木が内部から劣化している可能性があります。
6. 天井材や壁紙の浮き・剥がれ
天井や壁に使われているクロス(壁紙)が浮いたり、剥がれたりしているのも、内部で水分がこもっている兆候です。
見た目は小さな変化でも、内部では垂木や野地板が湿気で劣化しているかもしれません。
7. 屋根のきしみ音・異音
風が吹いたときや強い雨が降ったときに、屋根からギシギシ・ミシミシといった音が聞こえる場合、垂木が歪んでいたり、緩んでいることがあります。
こうした音は木材の接合部が動いているサインでもあるため、早めに調査することが望ましいです。
これらの兆候に一つでも心当たりがある場合は、屋根や垂木に問題が生じている可能性があります。素人では見極めが難しい部分でもあるため、早めに屋根専門の業者へ相談し、点検を受けることをおすすめします。
垂木の修理・交換が必要なケース

垂木の状態によっては、部分的な補強で済む場合もありますが、劣化が進んでいる場合は交換が必要です。
【補修で対応できる例】
- 垂木の一部に腐食が見られる
- 軽度なたわみやひび割れ
【交換が必要な例】
- 垂木が折れている
- 広範囲に腐食が広がっている
- シロアリ被害で内部までスカスカ
交換となると屋根の一部を剥がす必要があるため、費用も時間もかかります。早めの対応が経済的です。
垂木の修理・交換にかかる費用目安

垂木の修理や交換費用は、劣化の程度や工事範囲によって異なりますが、以下が一般的な目安です。
工事内容 | 費用相場 |
垂木の部分補修 | 約3〜10万円 |
垂木の交換(1本あたり) | 約5〜15万円 |
屋根全体の垂木交換 | 50万円以上になることも |
あくまで目安であり、建物の構造や屋根材の種類によっても変動します。無料点検などを利用して、正確な見積もりを依頼しましょう。
垂木のメンテナンスと予防対策

垂木は屋根の内部にありながら、屋根の寿命や安全性に大きな影響を与える部材です。
そのため、垂木の劣化を未然に防ぐためには、日頃からのメンテナンスや適切な予防対策が重要です。以下に、具体的なポイントを詳しく紹介します。
屋根の定期点検(年1回がおすすめ)
もっとも基本的かつ効果的な方法は、屋根全体の定期点検です。
特に築年数が経っている住宅では、年に1回程度の点検を行い、屋根材のズレやひび割れ、雨漏りの兆候がないかを確認します。
点検では以下のような項目に注目しましょう。
- 屋根材の割れ・ズレ・浮き
- 軒先や破風板の劣化
- 雨樋の詰まりや破損
- 屋根裏の結露やカビ、におい
- 野地板や垂木のしなりや色変化
専門業者に依頼することで、目視だけでは分からない細部までチェックしてもらえるのが安心です。ドローンを使った調査や、屋根裏からの目視点検なども活用されるようになっています。
屋根裏の通気性を確保する
垂木の大敵は「湿気」です。そのため、屋根裏の空気を適切に循環させることが非常に重要です。以下のような対策が有効です。
- 換気口(棟換気・軒換気)の設置
- 通気層を確保した断熱材の施工
- 通気不良の原因となる荷物の過密収納を避ける
特に屋根裏が密閉された空間になっていると、夏は熱がこもり、冬は結露が発生しやすくなります。
自然通気だけで不十分な場合は、小型の換気ファンなどを導入するケースもあります。
防虫・防腐処理の実施
垂木の素材は主に木材であるため、防虫・防腐処理も大切なメンテナンスです。
新築時やリフォーム時に、以下のような処理を行うと長期間劣化を防げます。
- ホウ酸処理(人体に優しい防蟻処理)
- 木材保護塗料の塗布
- シロアリ予防剤の定期再塗布(5年ごとなど)
特に床下から屋根裏にかけてシロアリが侵入することもあるため、基礎周辺だけでなく屋根周辺の防虫対策も必要です。
雨仕舞いの強化(防水対策)
垂木に水が回り込まないよう、屋根の防水性能を保つことも非常に大切です。以下のような部分に注目しておくと良いでしょう。
- 防水シート(ルーフィング)の寿命確認(15〜20年が目安)
- 屋根材の定期塗装(特に金属屋根やセメント系瓦)
- 棟板金・谷樋の点検と補修
- 雨樋の掃除・勾配調整
これらの防水処理が適切に保たれていれば、雨水が垂木に届くリスクは大幅に減少します。
積雪・台風後のチェック
自然災害の後は、垂木に想定外の負荷がかかっている可能性があります。
積雪で垂木がたわんだり、台風によって屋根材が飛ばされた場合、雨水が浸入して垂木がダメージを受けているケースがあります。
災害後は以下の確認をおすすめします。
- 屋根材の飛散・破損の有無
- 屋根の沈みや歪み
- 室内の雨漏りや天井のシミ
被害が軽微なうちに対処すれば、修理費用も抑えることができます。
定期的な写真記録を残す
毎年、屋根や軒下、屋根裏の様子を写真に残しておくと、変化や劣化の進行を把握しやすくなります。
施工業者に点検を依頼した際にも、写真記録があることで説明がしやすく、経年比較も可能です。
垂木に関するよくある質問

ここでは、屋根修理の現場で実際に多く寄せられる「垂木」に関する質問とその回答をまとめました。初めての方でもわかりやすいように丁寧に解説しています。
Q1. 垂木の寿命はどのくらいですか?
A. 垂木の寿命は材質や環境、メンテナンス状況によって異なりますが、一般的には20〜30年が目安とされています。
適切な防腐処理や定期点検を行えば、さらに長持ちさせることも可能です。
Q2. 垂木が腐っているかどうかは、どうやって確認できますか?
A. 垂木自体は屋根内部にあるため直接確認するのは難しいですが、天井のシミや雨漏り、屋根のたわみ、屋根裏のカビ臭などの症状が見られる場合、垂木の劣化が疑われます。
専門業者による屋根裏の点検が必要です。
Q3. 垂木だけを修理することはできますか?
A. 垂木が部分的に劣化している場合は、1本だけの補修や交換も可能です。
ただし、垂木の修理には屋根材や野地板を一部撤去する必要があるため、作業は簡単ではありません。広範囲にわたる場合は屋根全体の補修が必要になることもあります。
Q4. DIYで垂木の修理はできますか?
A. 垂木の修理は屋根の構造に深く関わる作業であり、落下や構造破損のリスクも高いため、DIYはおすすめできません。
必ず屋根工事の専門業者に相談しましょう。
Q5. 垂木の修理費用は火災保険でカバーできますか?
A. 台風や積雪、落下物などの自然災害によって垂木が損傷した場合は、火災保険で補償されることがあります。
まずは被害状況を記録し、保険会社に相談のうえ、屋根業者による被害報告書を用意するとスムーズです。
Q6. 垂木が傷んでいるまま放置するとどうなりますか?
A. 垂木の劣化を放置すると、屋根材のズレや落下、雨漏り、さらには建物全体の歪みにまで発展する可能性があります。
早期発見・早期修理が建物の長寿命化につながります。
まとめ|垂木を知れば、屋根の健康が守れる
垂木は屋根構造の中でも目立たない存在ですが、家全体の安心・安全を支える「縁の下の力持ち」と言える存在です。
その劣化に早く気づき、適切にメンテナンスや修理を行うことで、大掛かりな工事や高額な費用を避けることができます。
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