棟瓦の積み直し・補修・交換…それぞれの費用と工事内容

棟瓦(むねがわら)は、屋根の最上部にある瓦で、屋根面と屋根面が交差する部分に取り付けられています。
棟瓦は台風や経年劣化の影響を受けやすく、ズレや崩れ、破損が起こりやすい部分でもあります。
修理の際には「積み直し」「補修」「交換」といった工法がありますが、それぞれの工事内容や費用の違いをご存知でしょうか?
今回は、それぞれの修理方法について詳しく解説し、どのような場合にどの工事を選ぶべきか、またその費用目安についても紹介します!
棟瓦修理の種類とそれぞれの費用相場

棟瓦の修理は主に以下の3種類に分類されます。
棟瓦の「積み直し」
棟瓦を一度すべて取り外し、内部の土台(漆喰や葺き土)を整えてから、再び瓦を正しく積み直す工事です。
- 適したケース: ・棟瓦がズレている ・漆喰が剥がれている ・土台が崩れているが瓦自体は再利用可能
- 費用目安: 1mあたり 約6,000~10,000円程度 ・全体で20mの場合、約12万~20万円前後
メリット: 既存の瓦を再利用できるため、材料費を抑えられる ・構造をしっかり修復できる
デメリット: 作業時間がかかる ・施工不良があると再度ズレる可能性も
棟瓦の「補修」
ズレた部分や割れた棟瓦、劣化した漆喰など、問題のある箇所のみを部分的に補修する工事です。
- 適したケース: 棟瓦の一部にズレやひび割れがある ・応急処置としてすぐに対応したい
- 費用目安: ・1カ所あたり 約1万円~3万円程度 ・規模によっては5万円以内で済むことも
メリット: 費用が比較的安い ・スピーディーに対応できる
デメリット: 根本的な解決にはならない場合がある ・補修箇所以外の部分が後に劣化する可能性がある
3. 棟瓦の「交換(棟の取り替え)」
既存の棟瓦をすべて撤去し、新しい棟瓦に取り替える工事です。場合によっては金属製の耐久性の高い部材に変更することもあります。
- 適したケース: 棟瓦が大きく崩れている ・瓦が破損して再利用できない ・全体的に老朽化している
- 費用目安: 1mあたり 約8,000~15,000円程度 ・全体で20mの場合、約16万~30万円前後
メリット: 新しい材料で耐久性が向上 ・見た目もきれいになる
デメリット: 費用が高くなる ・既存の屋根材との相性に注意が必要
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棟瓦の耐風性をUPさせる「防災棟」とは?

台風や強風など自然災害が増える中で注目されているのが、耐風性・耐震性を高めた「防災棟」と呼ばれる棟瓦の工法です。
従来の土や漆喰で固定する方法とは異なり、金具や耐震ボンドを使ってガッチリ固定することで、ズレや崩れに強くなります。
防災棟の特徴
- のし瓦を積み上げず、軽量な専用部材を使う
- ステンレス製の金具やパッキン付きビスを使用
- モルタルや接着剤を併用し、強力に固定
- 風速40〜50m/sクラスにも耐えうる設計
見た目はすっきりとした直線的な仕上がりになり、現代の住宅デザインにもなじみやすい点も評価されています。
防災棟に切り替えるメリット
- 強風や地震に対する耐性がアップ
- 棟瓦のズレ・落下リスクを大幅に軽減
- メンテナンスサイクルの延長が期待できる
- 火災保険の被害対象になるリスクを減らせる
通常の棟瓦から防災棟へ仕様変更する費用相場
防災棟へ切り替える際は、既存棟の撤去から始まり、新たな防災棟の施工が必要になります。費用は下記が目安です。
- 1mあたり:約12,000〜18,000円程度
- 全体で20mの場合:24万〜36万円前後
使用する部材や施工方法により金額は変動しますが、長期的な安心感や修理リスクの減少を考えれば十分に検討の価値がある工法といえるでしょう。
棟瓦にトラブルが発生しやすい理由

棟瓦は屋根の中でも特にトラブルが起きやすい部分として知られています。以下のような理由から、劣化や破損のリスクが高い部位なのです。
風雨の影響を最も受けやすい場所
棟瓦は屋根の最上部にあり、風や雨が最も直接当たる場所です。
強風で瓦が飛ばされたり、雨水が侵入しやすい構造でもあるため、他の部位よりも劣化が早く進みやすい傾向があります。
地震や経年劣化によるズレ・崩れ
地震の揺れや経年による建物の動きによって、棟瓦が徐々にズレたり崩れたりすることがあります。
特に古い住宅では、漆喰や葺き土が劣化していて、固定力が弱まっているケースが多く見られます。
工法や施工精度の影響を受けやすい
棟瓦の積み方や漆喰の塗り方など、職人の技術に左右されやすい部分でもあります。
手抜き工事や施工ミスがあると、早期にトラブルが発生するリスクが高まります。
内部の劣化が見えにくい
表面から見えるズレや割れだけでなく、内部の漆喰や葺き土が劣化している場合もあります。
外見では問題がなさそうに見えても、内部ではすでに補修が必要な状態になっていることも少なくありません。
棟瓦は、立地・天候・建物の状態・施工精度などさまざまな要因によってトラブルが起こりやすい部位。定期的な点検を行い、早期発見・早期対応することが、長く安全に住まうためのポイント!

棟瓦修理費用が変動するポイント

棟瓦の修理費用は、単純な工法だけでなく以下のような条件でも変動します。
屋根の勾配や高さ
急勾配や3階建て以上の建物などは足場設置が必要になり、費用が加算されることがあります。
足場の有無
足場が必要な場合、10万円前後の追加費用が発生するケースもあります。
瓦の種類
日本瓦、洋瓦、セメント瓦などで価格や施工手間が異なります。再利用が難しい場合は交換費用が高くなります。
施工業者の方針
同じ修理内容でも、業者ごとに見積もりが異なることがあります。複数業者の比較が大切です。
棟瓦修理のタイミングと注意点

棟瓦のトラブルは、放置すると雨漏りや屋根全体の崩壊につながるリスクがあります。以下のような症状が見られたら早めの対応が重要です。
- 棟瓦がずれている
- 漆喰が剥がれている
- 瓦が割れている
- 台風や地震のあとに異変がある
部分的な補修で済むと思っていても、内部の劣化が進んでいるケースも多い。専門業者に点検を依頼し、適切な修理方法を提案してもらうことが大切!
棟瓦修理するなら火災保険の活用も検討を

棟瓦の修理にはそれなりの費用がかかるため、少しでも負担を軽減したいところです。そこで注目したいのが「火災保険」の活用です。
意外と知られていませんが、火災保険は火災だけでなく、風災・雪災・雹(ひょう)災などの自然災害による屋根の破損にも対応していることがあります。
火災保険が適用されるケースとは?
棟瓦修理で保険が使えるのは、以下のような突発的な自然災害による損傷です。
- 台風や強風で棟瓦がずれたり、飛んでしまった
- 地震以外の災害で瓦が割れた(※地震は地震保険の対象)
- 落雪や雹で棟瓦や屋根にひびが入った
このような場合は、修理費用の全額、あるいは一部が保険から支払われる可能性があります。
保険適用の流れ
まずは専門業者に点検を依頼し、被害状況の調査・報告書作成をしてもらいます。
火災保険の保険会社へ連絡し、申請手続きを進めます。
損害の程度に応じて保険金が決定し、給付が確定すれば自己負担を抑えて修理可能になります。
※必要書類や申請方法は保険会社によって異なるため、事前に確認しましょう。
注意点もあります
- 経年劣化や施工不良による修理は対象外です。
- 修理前の状態の写真や、被害が発生した日時の記録が重要になります。
- 修理後に申請すると認められない可能性もあるため、必ず着工前に保険会社と相談しましょう。
保険申請のサポートをしてくれる業者も
屋根修理業者の中には、火災保険の申請サポートを行っている会社もあります。被害状況の写真撮影や報告書作成など、慣れていない方には心強い存在です。
棟瓦の修理費用に不安がある方は、まず点検を依頼して「保険適用の可能性があるかどうか」相談してみることをおすすめします。
風災による棟瓦の損傷であれば、火災保険が適用されることもあります。特に台風や突風で瓦が飛んだ・ズレたという場合には、保険会社に相談してみましょう。
経年劣化による修理は対象外となるケースが多いため、保険内容をよく確認しておくことが重要!
棟瓦の修理でよくある失敗5つ

棟瓦の修理は専門的な知識と技術が求められるため、安易に判断した結果「こんなはずじゃなかった…」という後悔につながることもあります。
ここでは、実際によくある失敗例を5つご紹介し、後悔しないためのポイントも併せて解説します。
1. 修理が必要な範囲を見誤る
一見して一部の瓦のズレだけに見えても、内部の漆喰や下地が広範囲にわたって劣化している場合があります。
見た目だけで判断せず、屋根全体の点検を行うことが重要です。
2. 価格の安さだけで業者を選ぶ
極端に安い見積もりには注意が必要です。手抜き工事や経験不足の職人による施工で、後から再修理が必要になるケースも。
金額だけでなく、実績や保証内容も必ず確認しましょう。
3. 火災保険の適用を知らずに全額自己負担
自然災害が原因の棟瓦の破損であれば、火災保険が適用できる可能性があります。
修理前に保険会社や業者に相談して、申請の可否を確認することが大切です。
4. 応急処置だけで済ませてしまう
応急的な補修で一時的に落ち着いても、根本的な問題を放置していると再発の恐れがあります。
将来的な修理費用がかえって高くなることもあるため、適切なタイミングで本格的な修理を検討しましょう。
5. 工事内容の説明不足で納得できない仕上がりに
専門用語が多く、内容がよくわからないまま契約を進めてしまい、工事後に「思っていた内容と違った」というケースも。
事前に施工内容や工程、使う材料を詳しく確認することが大切です。
棟瓦の部位名と役割

棟瓦は、複数の部材から構成されており、それぞれに役割があります。代表的な部位は以下の通りです。
のし瓦
棟を積み上げる際に段状に積まれる平たい瓦です。下地を安定させ、棟の形状を整える役割があります。
銀杏面(ぎんなんめん)瓦・冠瓦
棟の最上部に乗せられる丸い形状の瓦で、雨水の侵入を防ぐ仕上げの瓦です。屋根の見た目にも大きく関わります。
漆喰(しっくい)
瓦の隙間を埋めるために使われる白い塗り材で、防水性・密着性を高める役割を持っています。時間が経つと劣化しやすく、剥がれやすい部分です。
葺き土(ふきつち)
のし瓦などを支えるために使用される土で、古い屋根では多く使われていました。近年ではモルタルやシーリング材に置き換えられることもあります。
雨押え板金(あまおさえばんきん)
棟周辺や取り合い部の雨仕舞いに使われる金属板で、雨水の侵入を防ぎます。板金部分がめくれると雨漏りの原因になります。
これらの部位が一体となって、屋根の耐久性と防水性を高めています。どこか一つでも劣化や破損があると、全体の性能に影響を与えるため、定期的な点検と修理が必要です。
棟瓦修理に関するよくある質問

棟瓦の修理については、実際にお問い合わせいただく中で多くの方が共通して抱える疑問があります。ここでは、特に多い質問を10個ピックアップして、できるだけ丁寧にお答えします。
Q1. 棟瓦がズレているのですが、放置するとどうなりますか?
A. 放置してしまうと、雨漏りが起きたり、瓦が落ちてしまうなど、思わぬトラブルにつながる可能性があります。大きな修理になる前に、早めの点検と補修をおすすめします。少しのズレでも油断は禁物です。
Q2. 棟瓦の修理はどのタイミングで依頼するべき?
A. 「最近なんだか屋根の上が気になる…」と思ったら、そのタイミングがベストです。特に台風や強風のあとは、目に見えない損傷があるかもしれません。10年以上点検していない場合も一度見てもらいましょう。
Q3. 修理にはどのくらいの期間がかかりますか?
A. 規模にもよりますが、部分補修なら1日で完了することも多いです。積み直しや交換となると2〜4日かかるケースもあります。天候によっても前後するので、予定は余裕をもって考えておくと安心です。
Q4. 屋根全体ではなく、棟瓦だけの修理は可能ですか?
A. はい、棟瓦だけの修理も問題なく対応できます。屋根全体の工事よりも費用や時間を抑えられることが多いので、必要な箇所に絞ってメンテナンスするのも賢い選択です。
Q5. 見積もりや点検は無料でしてもらえますか?
A. 多くの業者さんが無料で対応してくれます。ただし、まれに費用がかかる場合もあるので、事前に確認しておくと安心ですね。気軽に相談してみてください。
Q6. 棟瓦の修理に火災保険は本当に使えますか?
A. はい、自然災害が原因であれば火災保険が適用されるケースが多くあります。適用の可否は業者や保険会社と一緒に確認して進めるのがベストです。自己負担を軽くできる可能性があるので、ぜひ相談してみてください。
Q7. 棟瓦の交換は他の屋根材との相性に影響しますか?
A. 瓦の種類や年数によっては影響が出ることもあります。違和感のない仕上がりになるよう、業者がきちんと確認してくれるのでご安心ください。心配な場合は事前に相談するといいですよ。
Q8. DIYで修理するのは危険ですか?
A. はい、とても危険です。屋根の上は想像以上に滑りやすく、高所作業は大きな事故にもつながりかねません。無理せず、専門の業者に任せることを強くおすすめします。
Q9. どの修理方法が一番長持ちしますか?
A. 状態にもよりますが、土台からしっかり直す積み直しや、防災棟への変更が長持ちしやすいです。将来的な安心感を重視するなら、少し費用がかかってもそうした選択が良いかもしれません。
Q10. 修理後の保証はありますか?
A. あります!多くの業者では、工事内容に応じて1〜10年程度の保証を設けています。保証内容は契約前にきちんと確認しておくと、万が一のときにも安心です。
まとめ
棟瓦の修理には、「積み直し」「補修」「交換」といった選択肢があり、それぞれに費用と適したケースがあります。
大切なのは、表面的な修理だけで済ませるのではなく、屋根全体の状態を把握した上で最適な工法を選ぶことです。また、信頼できる業者に相談することで、無駄な出費やトラブルを避けることができます。
気になる点があれば、まずは無料点検を受けてみるのもおすすめです。屋根の健康診断として、棟瓦の状態をチェックしてもらいましょう。
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